3級 - 後半

4級でかなりの数が淘汰されるといいましたが、3級後半でも再びかなりの%で辞めていく人が多いように思います。出来ない部分よりも出来始めた部分が目だって楽しかった5・4級当初の英語学習でしたが、このあたりからさすがにいまだ出来ない部分がたくさんあることに意識が向き始めます:

  • TOEICでいえば700〜800点に及ぶレベルなってきています。もう学校の先生のいうことは大分よく分かります。そしてnon-nativeスピーカー同士で自分の専門分野でのcommunicationはぎりぎりですがなんとか前に進むようになり始めます。受け答えなどはまだ稚拙ですが、それでも一応用を足すようになってくるわけです。
  • 事実、初めて海外に派遣されて業務に携わる人がこのあたりのレベルから出てきます。まったく出来ない上司から見ればこのレベルの部下でもかなり出来るように「みえる」からです。上から下を見て差は分かりますが、下から上を見た場合差が分かりにくいですからね。話すだけでなく、少しずつ書く機会も増えてきていわゆる「書き方」も少し分かり始めます。ただまだ時間もかかり、Qualityも低いのは否めません。
  • 残念なことですが、このあたりでかなりの人がそこそこ満足して学習を止めてしまいます。数ヶ月の海外業務経験、まぁなんとかなった、という安堵もあるでしょう。あるいは本当にこの先が見えてなくて自己満足している人もいるかもしれません。しかし本当の理由はもう一つあります。
  • このあたりから習熟への道は一つのおおきな峠に立ち向かう時期になってくるからです。未だ映画はせいぜい10%、ニュースはせいぜい30%くらいでしょうか?今までやってきた努力と成果をベースにして考えて、かなり長そうな先の長さ。無意識にでもこの先の長さが予感されます。同時に一時期の上達への意欲も失われる時期です。それらが相まって、もういいか、となってしまう人が多いのでは思います。
  • そしてこのレベルで辞めてしまいしばらく使わないでいるとあっという間に英語力は錆ついていきます。せっかくこのレベルまで到達したんです。定量的に先の長さを認識し、また必要な学習を続けることで間違いなく進歩するのですから、辞める、あるいはスローダウンすることはないと私は思います。もったいないです。
  • 事実、業務で多少の英語を必要とする日系の職場にいる人には、このあたりで長年うろうろしている人はとても多いです。本人もそれをストレスと感じながらも仕事をしているようです。同時に、それは仕事で必要とされる度合いがその程度の英語でも"とりあえず"何とかなるので妥協しているということもあるようです。上達したい人のために言えば、この時期は学習方法の問題が一番大きいと思います。
  • 経験的にはこのレベルまではそこそこ日本人向けにスローダウンされた教材でもそこそこ問題なくあがってくれると思います。しかしこのあたりから先は積極的に生のInputの材料を使用していくようにすることが必要です。自然なスピードのリスニング教材・実際に欧米人向けに作られたリーディング材料などですね。
  • この頃の私は:
    • 初めての海外派遣まであと半年くらいのときにはじめてTOEICを受けてみたり、その後短期の海外出張を経験していた頃です。
    • 実際にOutputを実務で経験できた貴重な時期でもありました。特にスピーキングの部分は慣れも大きいのでその意味でも「慣れ」ました。ただあくまでも自分の専門分野の技術的な話だけですから、まだまだ幼稚なものだったのでしょうけど。
    • 書くことも技術的なマニュアルや作業指示書などは直接英文で書けるようになっていきました。ただフォーマルなレターのようなものになると、途端に筆が止まる、という限られた技量です。
    • 学習方法としては本格的にタイムなどの英文雑誌を多量に読み始めていました。内容も自分の好きな分野であれば、かなり興味を持って読めるようにはなっていたと思います。ペーパーバックはかなり楽しめるようになってきていました。
    • リスニングは相変わらずヒヤリングマラソンと映画の視聴だけでした。映画は相変わらず一番難しく感じていましたが、たまにスラングの少ない分かりやすい映画などに出会うと昔より分かるようになったな、とわかる程度でした。
    • 今の外資に転職したのがちょうどこのあたりだったとおもいます。